プレイレポート
 
『RO』モスコビアアップデートを先行体験&開発インタビュー!
2008.05.23
関連URL:『ラグナロク オンライン』メイン
 

 2008年5月27日(火)、『ラグナロクオンライン(以下、RO)』において大型アップデートが実施される。モスコビアアップデートと銘打たれたこのアップデートは、その名の通り、新マップ「モスコビア」を中心とした中級者向けのもの。『RO』では、ダンジョン「トール火山」を擁するベインスアップデート、ダンジョン「修道院」を擁する名もなき島アップデートと、高レベル向けのアップデートが続いていたが、今回は久々とも言える低〜中レベルキャラクタ向きのモスコビアダンジョンも追加され、さらなる充実が図られる。

 4月にアップデートされた日本独自のコンテンツ、「冒険者アカデミー」によって初心者・初級レベルを脱したプレイヤーにとっては、ちょうどいいタイミングでちょうどいいレベル帯のダンジョンが追加されることになる。

 今回も、もはや恒例となった感のあるガンホー・オンライン・エンターテイメント社内のテスト用ワールドを使用した事前プレイの様子をお届けしよう。
 案内をしてくださったのは『RO』制作担当の大岸秀典氏と野呂彰氏。

 なお、使用したテスト用ワールドは検証作業中ということで、キャラクタ、アイテムなどの名称・仕様などが、一般ワールドに実装される内容とは異なる点があるかもしれないことをご了承願いたい。

※画面写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます。

ロシアを彷彿とさせるモスコビアの街並み
 テスト用ワールドに用意されたキャラクタはアルベルタの港にいた。モスコビアはアマツやタートルアイランド、龍之城、アユタヤなどと同様にアルベルタの港から10,000ゼニーを支払うことで移動できる。モスコビアは島国となっており、到着すると簡素な家が並ぶ港が広がっていた。その港から森を抜けて島の北東へ進んでいくと、石畳で舗装され、豪奢な建造物が立ち並ぶモスコビアの中心地にたどりつく。ここで野呂氏が「ロシアのモスクワに行ったことがあるかたは、見たことのある建物なんかもあるかもしれません」と発言するも、周囲から「行ったことある人はなかなかいないだろう」とツッコミが。現地へ行ったことがあるかどうかはともかく、モスコビアはもともとロシアで運営されている『RO』用に作られたマップで、ロシアやモスクワ、それに連なる民話などをイメージソースとして制作されたのだ。街には巨大なマトリョーシカがあったりと、アマツ同様、どこか誇張した感のある街並みだが、逆にそれが楽しげな雰囲気を醸している。

 モスコビアにはカプラ職員も常駐しており、復帰地点のセーブはもちろん、ワープポータルのメモなども可能になっている。カプラ職員のすぐ北側に旅館があり、そこでもセーブを行うことができるため、攻城戦時の拠点としてもいいのではないか、と野呂氏は語った。

アルベルタの港にいる、頭巾を被った「モスコビア広報大使」に話かけるとモスコビアへ渡ることができる。
港は質素な村といった感じ。島の西側は自然が多く残る土地として表現されており、逆に東側は人工の街並みが広がっている。
巨大なマトリョーシカと、その周囲の線路をぐるぐる回る3連のマトリョーシカ。遊び心満載のマップだ。
「島国にしては豪華ですよね」という大岸氏の言葉通り、かなり豪華な王宮。内部は広くはないが、内装も派手で見応えがある。
王宮には王様がいて、気軽に謁見できる。クエストにも関係するため、何度か訪れることになるという。
街にはどんぐりを100ゼニーで販売する商人も。やや高いが、後述するどんぐり好きのリスにあげるために買い求めてもいいだろう。
街の北東にある公演場。半球のドームがあり、演劇やコンサートなど、ユーザーイベントの会場として最適な雰囲気。
以前ラグくじの景品として実装された「耳あて帽」や、クリスマスイベントで作成できた5種類の「パンケーキ」など、モスコビアで制作可能になるアイテムもある。

■海を越えてクジラを越えて緑繁るモスコビアダンジョンへ

今回使用したテスト用キャラクタ。防具は通常ワールドでは滅多にお目にかかることのできないヴァルキリーセットを+10精錬したもの。武器は中型モンスターに追加ダメージを与える特化武器、クワドロプルボーンドパイク[4]。

「クジラ島をたずねて」の特殊マップとなる船の上。このままダンジョンのある島に行けるのかと思いきや……?

クジラの上にある島。まさにここがクジラ島……!? ちなみにこのクジラ島の上にはどんぐり好きのリスがおり、どんぐりを20個あげるとお礼がもらえるようだ。

クエストをクリアして行けるようになるモスコビアフィールド。北にあるこのワープポイントがモスコビアダンジョンの入口だ。

 モスコビアアップデートでは、モスコビアダンジョンという3層のマップからなるダンジョンも実装される。このダンジョンへ行くにはクエストをクリアする必要がある。クエスト内容は実装後のお楽しみだが、「クジラ島をたずねて」と名付けられたこのクエストをクリアすると「古い紫色の箱」と120万(1.2M)ものBase経験値が獲得できる(ただし、ルートによっては「古く青い箱」とBase経験値70万になる)。クエスト開始条件は特に設定されていないので、キャラクタを成長させるチャンス。ちなみにモスコビアアップデートでは合計5つの新クエストが実装される予定だ。クエストをクリアしてモスコビアフィールドへ渡ると、その奥に洞窟が口を開けている。洞窟を抜けるとそこは草木がうっそうと繁る森。そここそがモスコビアダンジョンである。

 モスコビアダンジョンは前述のように3層に分かれている。ダンジョン1層目「森」にはアクティブなモンスターが少なく、ウッドゴブリンとレスを中心に構成されている。ウッドゴブリンは範囲攻撃スキルやヒールなどを持っているが、攻撃速度(ASPD)もそれほど早くはなく、ヒールの詠唱も遅め。レスはリンク特性を持っているが、HPが3080と少なめなので脅威ではない。どちらもノンアクティブなので手を出さなければ襲ってこないのはありがたい。もうひとつの特徴として、植物の茎など、製薬に必要な収集品が比較的多めに手に入ることが挙げられる。わざわざ高レベルキャラで弱いマンドラゴラを狩らなくても、中レベル帯のキャラ育成のついでに集めることができるのだ。

 ダンジョン2層「深い森」に行くためには通常のワープポイントではなく、石碑をクリックして「先に進む」を選択する必要がある。これは3層へ行く際にも同様で、3層から2層、2層から1層へ戻るのも同様。強力なモンスターに追われ、1秒を争って逃げ帰るということは少ないと思うが、注意したいところだ。2層ではウッドゴブリンやレスに加えてババヤガ、ウジャスなどのアクティブモンスターも出現する。ババヤガは攻撃力はそれほどでもないが、ウッドゴブリンやレスと比べるとスキル攻撃などが強力になっている。

ヒールを使うウッドゴブリン。ヒールは700程度の回復量を持っているので、周囲に大量にいると厄介。大岸氏曰く「頭の上に鳥の巣があって、倒しちゃうと卵が割れてしまうんです。倒すと心が痛むモンスターですね(笑)」。

子悪魔的な外見を持つ妖精、レス。攻撃力も高くはなく、HPも低いが、リンクして攻撃してくるので注意したい。「ミストケースが倒せるなら十分相手にできるモンスターだと思いますよ」と野呂氏。地4と極端な属性を持ち、地属性はもちろん、風属性攻撃も一切通じない。


 3層「奥深い森」にはウジャス、マブカといった、比較的強力なモンスターがメインになる。ただ、テストワールドでほかに人がいないためか、モンスター自体の湧きは穏やかに感じられた。MVPボスモンスターを除けば、ダンジョン全体が中型モンスターで構成されており、さらに種族は植物か人間、属性は水か地と固定されているので、特化武器、属性武器などが非常に有効な狩場と言える。

大岸氏が「ロシアの民話では日本でいう山姥のような存在ですね」と語るババヤガ。「深い森」以降に出現するモンスターで、ウォーターボールなどを使用してくる。

攻撃力の高めなウジャス。HPはそれなりに高いが属性が水3なので風属性の攻撃が非常に有効。

遠くから植物を使って遠距離攻撃を行ってくるマブカ。モスコビアダンジョンの一般モンスターとしては最強だが、ニューマでほぼ無力化できる。いろいろな意味で人気が出そうです、とは野呂氏の言。

ダンジョン内はワープポイントではなく、石碑をクリックして移動する。ただ、マップウィンドウに、ワープポイントを示す赤い点はついているので迷うことはないだろう。


 さて、モスコビアダンジョン3層「奥深い森」にはMVPボスモンスターのゴピニクが出現する。
 ゴピニクはマップ右上(ここは細い通路でほぼ隔離されている状態)に固定出現するため、一般モンスターを狩りに来たプレイヤーがいきなりボスに出くわして倒されるという事態は少なそう。

 今回も毎回の事前テストプレイ時同様に、野呂氏のハイプリーストと大岸氏のハイウィザードと共にMVPボスモンスターに挑んでみた。ゴピニクは地3属性なので火属性系統のスキルが非常に有効。
 また、MVPボスモンスターにしては攻撃力が低く(それでも一般モンスターに比べればはるかに強力だが……)、扱いに慣れていない筆者のロードナイトでも十分持ちこたえることができた。
 ただ、ゴピニクも多くのMVPボスモンスター同様に、HPが減少すると攻撃力と攻撃速度が増加し、スキルも多用してくるようになる。

 超豪華装備でHP2万を越えるロードナイトでもひやりとする場面が何度かあり、イグドラシルの実を使ってしのいだことも。今回は取り巻きモンスターがおらず、属性相性もよかったためか、大岸氏のハイウィザードがMVPを取り、なんとか3人で撃破することができた。

 今まで事前テストプレイで生体工学研究所03のモンスターやデータルザウルス、ランドグリス、アトロス、グルームアンダーナイト、クトルラナックス、イフリート、ヴェルゼブブ……と様々なボスを見せてもらっているが、実を言えばちゃんと撃破できたのは初めてである。

 逆に言えばそれだけ弱めのボスということになるので、しっかり防御を固めた壁役さえいればどんなパーティにでも勝機があるということだ。

MVPボスモンスター、ゴピニク。実装時はマップ北東に固定湧きとなる。モスコビアダンジョン唯一の大型モンスターで属性は地3。

序盤からクァグマイアを敷き詰めるように使ってくる。また、頻繁にメテオストームやマグナムブレイクを使ってくるため、周囲のキャラクタも対策が必要だろう。

HPが減少すると途端にパワーアップするゴピニク。

取材時のドロップアイテムは古い紫色の箱とエルニウムだった。アップデートでドロップ変更があったあとはマップ内ランダム湧きになる可能性もあるのか……?


モスコビア実装の経緯とワールド統合の行方は?

 最後に、今回ご案内いただいた大岸氏と野呂氏にお話をうかがうことができた。質問に対しては基本的に大岸氏が答えてくれた。いわゆるロシアローカライズマップであるモスコビアは、ここ最近の『RO』の一連のアップデートからはやや外れた位置付けにあり、この時期に単独でアップデートを行う経緯から聞いてみた。また、『RO』プレイヤー誰もが気になるワールド統合の現在の状況と次期アップデートなど、いろいろと興味深いお答えをいただけた。

――今回のモスコビアアップデートは、もともとロシア版『RO』に実装されたものだそうですね。韓国では魔王モロクパッチ(※日本での次期アップデート要素)と同時に実装されましたが、日本ではロシア同様、先行実装という形になるのでしょうか。

大岸氏:はい。モスコビア単独で実装するのには理由がいくつかあるんです。まず、魔王モロクパッチまでの期間が少しあいてしまうこと。もうひとつは、先日実装した冒険者アカデミーおよびネットカフェのIPスルーによる特典で、初~中級者の方がゲームを進めていただいたあと、レベル60~70台になったユーザーさんが“次はどこで狩ればいいんだろう”と考えると思うんです。現状のモスコビアのバランスはちょうどそういった方々向けに実装されたものです。名もなき島であるとか、次の魔王モロクはどうしても上級者、高レベル向けのアップデートになってしまいますので、新規ユーザーさんであるとかキャラクタ育成で伸び悩んでいる方向けのアップデートを行いたいと思ってました。実はユーザーの皆さんからも“上級者向けのアップデートばかりで面白くない”といった意見もいただいています。そういった方々への答えが今回のアップデートに繋がっているわけです。

――モスコビアダンジョンのモンスターは韓国で調整が入り、かなりオイシイ武具をドロップするようになりますよね。今回実装されるのは韓国調整後のものではないのでしょうか。

大岸氏:今回実装されるのはロシア先行実装と同じバージョンになります。ドロップアイテムなどに関しては韓国から見ると古いデータということになりますね。今後のアップデートによって内容の変更というのはもちろん行っていきます。それが魔王モロクアップデートまでのタイミングなのか、魔王モロクアップデートと同時なのかは調整中といったところです。

――魔王モロクアップデート以前に変更がある可能性も?

大岸氏:それに関しては現在はなんとも言えません。ただ、あまりにも“旨みがない”と、ユーザーさんに面白くないと言われてしまう可能性もありますからね。

――なるほど。確かにレアが出ないと訪れる人も減るかもしれませんしね。さて、ちょっと話は変わりますが、ここまでのアップデートを見ると順調なのですが、年頭に発表された予定では次はワールド統合キャンペーン……となるハズでしたが、ユーザーアンケート延期の発表以来、続報がありませんよね。現状はどのようになっているのか教えていただけませんか?

大岸氏:はい、お待たせしてしまって本当に申し訳ありません。まずは統合の仕様を発表して、統合自体を行うかどうかユーザーアンケートを取る……となっていますが、実は現状でも、WEBヘルプデスクのユーザー投稿からものすごい量のご意見をいただいています。

――仕様やアンケート発表前からもう自発的に意見を投稿している方がそんなに多いんですか。

大岸氏:そうですね。今、ユーザー投稿は三次職とワールド統合に関しては投稿というレベルですまないくらいの大量のご意見をいただいています。そういった意見を拝見しますと、私たちが当初考えていたワールド統合案以上のものを立案していかなければならないという考えに至りまして、現在、再度、開発元のグラヴィティ社さんと協議させていただいています。もちろんユーザーの皆様からのご意見だけでなく、弊社側でも協議を重ねております。詳細が決定次第発表したいと考えていますので、大変申し訳ないのですが、ユーザーの皆さんにはもう少しお待ちいただきたく思います。

――そうなると、あとに控える魔王モロクアップデートの実装時期にも影響しますよね?

大岸氏:そうかもしれません。ただ、私どもとしましても、弊社の都合で勝手にワールド統合を行うわけにもいきません。ユーザーさんからの反対意見などもありますし、もし統合を行うならば、望まれる形で、しっかりとした計画を持って実施したいと思います。

――逆に魔王モロクアップデートがワールド統合よりも先になるということもあるのでしょうか。

大岸氏:そうですね。魔王モロクアップデート自体は夏を予定していますので、そういうこともありえます。

――状況を見て、という感じですか。話はまた変わるのですが、4月に実装された冒険者アカデミーについてお聞きしたいと思います。プレイしてみて驚いたのはすごいボリュームだということと、初心者に向けた懇切丁寧なガイドでした。ただ、作り込んであるがゆえに、マップの状況などが変化した場合、即時対応できるのかなと疑問に思いました。そのあたりについてお聞かせ願えますか?

大岸氏:冒険者アカデミー自体はすべて日本で企画・制作をしていますので、アップデート内容が把握できた段階で、随時対応を行っていく予定でいます。実は現時点で実装されている内容に関しても、これで終わりというわけではなく、今後システム的に新しいものが追加されたり、中級者〜上級者に対しての情報提供も含めてアップデートしていく予定があります。

――冒険者アカデミー自体が随時変化していくわけですか。そういえばシークレットストーリーも続きがあるようですね。

大岸氏:はい。担当者がかなり気合を入れて作っていますので、内容が決定次第、お知らせできると思います。

――ここからはアップデート自体からは少し内容がずれるのですが、名もなき島アップデートのときに実装が延期された両手杖「ディバインクロス」「スタッフオブデストラクション」に関してはどうなっているのでしょうか。

大岸氏:えーと……グラヴィティさんには報告済みで、調整をかけていただいているところではあるのですが、現状ではちょっと目処が立っていない状況です。

――国際サーバ(アメリカ)などではそのまま実装されているという話も聞きますね。

大岸氏:他国で実装しているから構わないというものでもないと思うんですね。実装してしまうことにより、問題のある利用方法を巡って一部のユーザーさんから不満が出るというかたちは望ましくありませんよね。楽しみにしている方には本当に申し訳ないのですが、できるかぎり調整をかけた上で実装したいと思っています。

――最後に、これはほぼ余談になるのですが、今回のモスコビアのMVPボスモンスター、ゴピニクは、ロシア版では“ズメイ ゴリニチ”と呼ぶようですね。韓国語を通すと一部の名称が独特の変化をしてしまう印象を受けます。たとえばペノメナはPhenomenaで、英語読みだとフェノメナになりますし、プルスは古エッダのスルーズではないかと言われています。翻訳の際、こういった原典との差異はどうお考えになられているのでしょうか。……カニニッパなどカッ飛んだものは逆に好評で、修正したのをまた元に戻したという経緯もありましたが(笑)。

大岸氏:元になるデータはハングルで、そこから翻訳をかけていきます。今回のゴピニクに関しても、ロシア版ではズメイ ゴリニチですが、韓国語を翻訳するとゴピニクになるんですね。設定や元ネタとなったものがなんであるかという情報はいただいておりませんが、もちろん伝承なども弊社で調べています。そのうえで、あまり一般的な名称となっておらず、ユーザーの方々にわかりにくいもの、あまり有名ではないものに関しては、グラヴィティ社さんが設定した内容を尊重しています。内容的にあまりにも掛け離れたものは開発チームに連絡をして、日本版では名称を変更する場合もあります。ただ、たとえばドイツ語読みだったり英語読みだったりと同様に、ハングル読みというのも間違ってはいないと思うんですよ。そういう意味では、ハングル読みを採用している、と言えなくもないと思います。

――なるほど、わかりました。全体的に見て、今回はボリュームとしては街とダンジョン1つと、前回、前々回と比べるとそれほど大きくはないパッチとなっていますね。

大岸氏:そうですね。しかし、狩場としては非常に面白い場所になっていると思いますので、ぜひ皆さんに訪れてもらいたいマップです。

――わかりました。実装を楽しみにしたいと思います。本日はありがとうございました。


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