最後に、今回ご案内いただいた大岸氏と野呂氏にお話をうかがうことができた。質問に対しては基本的に大岸氏が答えてくれた。いわゆるロシアローカライズマップであるモスコビアは、ここ最近の『RO』の一連のアップデートからはやや外れた位置付けにあり、この時期に単独でアップデートを行う経緯から聞いてみた。また、『RO』プレイヤー誰もが気になるワールド統合の現在の状況と次期アップデートなど、いろいろと興味深いお答えをいただけた。
――今回のモスコビアアップデートは、もともとロシア版『RO』に実装されたものだそうですね。韓国では魔王モロクパッチ(※日本での次期アップデート要素)と同時に実装されましたが、日本ではロシア同様、先行実装という形になるのでしょうか。
大岸氏:はい。モスコビア単独で実装するのには理由がいくつかあるんです。まず、魔王モロクパッチまでの期間が少しあいてしまうこと。もうひとつは、先日実装した冒険者アカデミーおよびネットカフェのIPスルーによる特典で、初~中級者の方がゲームを進めていただいたあと、レベル60~70台になったユーザーさんが“次はどこで狩ればいいんだろう”と考えると思うんです。現状のモスコビアのバランスはちょうどそういった方々向けに実装されたものです。名もなき島であるとか、次の魔王モロクはどうしても上級者、高レベル向けのアップデートになってしまいますので、新規ユーザーさんであるとかキャラクタ育成で伸び悩んでいる方向けのアップデートを行いたいと思ってました。実はユーザーの皆さんからも“上級者向けのアップデートばかりで面白くない”といった意見もいただいています。そういった方々への答えが今回のアップデートに繋がっているわけです。
――モスコビアダンジョンのモンスターは韓国で調整が入り、かなりオイシイ武具をドロップするようになりますよね。今回実装されるのは韓国調整後のものではないのでしょうか。
大岸氏:今回実装されるのはロシア先行実装と同じバージョンになります。ドロップアイテムなどに関しては韓国から見ると古いデータということになりますね。今後のアップデートによって内容の変更というのはもちろん行っていきます。それが魔王モロクアップデートまでのタイミングなのか、魔王モロクアップデートと同時なのかは調整中といったところです。
――魔王モロクアップデート以前に変更がある可能性も?
大岸氏:それに関しては現在はなんとも言えません。ただ、あまりにも“旨みがない”と、ユーザーさんに面白くないと言われてしまう可能性もありますからね。
――なるほど。確かにレアが出ないと訪れる人も減るかもしれませんしね。さて、ちょっと話は変わりますが、ここまでのアップデートを見ると順調なのですが、年頭に発表された予定では次はワールド統合キャンペーン……となるハズでしたが、ユーザーアンケート延期の発表以来、続報がありませんよね。現状はどのようになっているのか教えていただけませんか?
大岸氏:はい、お待たせしてしまって本当に申し訳ありません。まずは統合の仕様を発表して、統合自体を行うかどうかユーザーアンケートを取る……となっていますが、実は現状でも、WEBヘルプデスクのユーザー投稿からものすごい量のご意見をいただいています。
――仕様やアンケート発表前からもう自発的に意見を投稿している方がそんなに多いんですか。
大岸氏:そうですね。今、ユーザー投稿は三次職とワールド統合に関しては投稿というレベルですまないくらいの大量のご意見をいただいています。そういった意見を拝見しますと、私たちが当初考えていたワールド統合案以上のものを立案していかなければならないという考えに至りまして、現在、再度、開発元のグラヴィティ社さんと協議させていただいています。もちろんユーザーの皆様からのご意見だけでなく、弊社側でも協議を重ねております。詳細が決定次第発表したいと考えていますので、大変申し訳ないのですが、ユーザーの皆さんにはもう少しお待ちいただきたく思います。
――そうなると、あとに控える魔王モロクアップデートの実装時期にも影響しますよね?
大岸氏:そうかもしれません。ただ、私どもとしましても、弊社の都合で勝手にワールド統合を行うわけにもいきません。ユーザーさんからの反対意見などもありますし、もし統合を行うならば、望まれる形で、しっかりとした計画を持って実施したいと思います。
――逆に魔王モロクアップデートがワールド統合よりも先になるということもあるのでしょうか。
大岸氏:そうですね。魔王モロクアップデート自体は夏を予定していますので、そういうこともありえます。
――状況を見て、という感じですか。話はまた変わるのですが、4月に実装された冒険者アカデミーについてお聞きしたいと思います。プレイしてみて驚いたのはすごいボリュームだということと、初心者に向けた懇切丁寧なガイドでした。ただ、作り込んであるがゆえに、マップの状況などが変化した場合、即時対応できるのかなと疑問に思いました。そのあたりについてお聞かせ願えますか?
大岸氏:冒険者アカデミー自体はすべて日本で企画・制作をしていますので、アップデート内容が把握できた段階で、随時対応を行っていく予定でいます。実は現時点で実装されている内容に関しても、これで終わりというわけではなく、今後システム的に新しいものが追加されたり、中級者〜上級者に対しての情報提供も含めてアップデートしていく予定があります。
――冒険者アカデミー自体が随時変化していくわけですか。そういえばシークレットストーリーも続きがあるようですね。
大岸氏:はい。担当者がかなり気合を入れて作っていますので、内容が決定次第、お知らせできると思います。
――ここからはアップデート自体からは少し内容がずれるのですが、名もなき島アップデートのときに実装が延期された両手杖「ディバインクロス」「スタッフオブデストラクション」に関してはどうなっているのでしょうか。
大岸氏:えーと……グラヴィティさんには報告済みで、調整をかけていただいているところではあるのですが、現状ではちょっと目処が立っていない状況です。
――国際サーバ(アメリカ)などではそのまま実装されているという話も聞きますね。
大岸氏:他国で実装しているから構わないというものでもないと思うんですね。実装してしまうことにより、問題のある利用方法を巡って一部のユーザーさんから不満が出るというかたちは望ましくありませんよね。楽しみにしている方には本当に申し訳ないのですが、できるかぎり調整をかけた上で実装したいと思っています。
――最後に、これはほぼ余談になるのですが、今回のモスコビアのMVPボスモンスター、ゴピニクは、ロシア版では“ズメイ ゴリニチ”と呼ぶようですね。韓国語を通すと一部の名称が独特の変化をしてしまう印象を受けます。たとえばペノメナはPhenomenaで、英語読みだとフェノメナになりますし、プルスは古エッダのスルーズではないかと言われています。翻訳の際、こういった原典との差異はどうお考えになられているのでしょうか。……カニニッパなどカッ飛んだものは逆に好評で、修正したのをまた元に戻したという経緯もありましたが(笑)。
大岸氏:元になるデータはハングルで、そこから翻訳をかけていきます。今回のゴピニクに関しても、ロシア版ではズメイ ゴリニチですが、韓国語を翻訳するとゴピニクになるんですね。設定や元ネタとなったものがなんであるかという情報はいただいておりませんが、もちろん伝承なども弊社で調べています。そのうえで、あまり一般的な名称となっておらず、ユーザーの方々にわかりにくいもの、あまり有名ではないものに関しては、グラヴィティ社さんが設定した内容を尊重しています。内容的にあまりにも掛け離れたものは開発チームに連絡をして、日本版では名称を変更する場合もあります。ただ、たとえばドイツ語読みだったり英語読みだったりと同様に、ハングル読みというのも間違ってはいないと思うんですよ。そういう意味では、ハングル読みを採用している、と言えなくもないと思います。
――なるほど、わかりました。全体的に見て、今回はボリュームとしては街とダンジョン1つと、前回、前々回と比べるとそれほど大きくはないパッチとなっていますね。
大岸氏:そうですね。しかし、狩場としては非常に面白い場所になっていると思いますので、ぜひ皆さんに訪れてもらいたいマップです。
――わかりました。実装を楽しみにしたいと思います。本日はありがとうございました。
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