本作のもうひとつの魅力が、グリモア(魔導書)を使って戦うプラクティスパート(魔法戦)。ゲームはドラマパートと、このプラクティスパートの繰り返しで展開され、プラクティスパートで勝利することで徐々にストーリーが進展していく形となる。
ジャンルに「魔法ファンタジーRTS」とあるとおり、プラクティスパートはRTS形式で進む。「RTS」というのは「リアル・タイム・シミュレーション」の略で、ターン制ではなく、その名のとおりリアルタイムで部隊を動かし、戦わせていくシミュレーションゲームのこと。ターン制が主流の日本では、これまであまり受け入れられてこなかったジャンルでもあったのだが、そこはさすが日本一ソフトウェア。RTS初心者でも遊びやすい「日本風RTS」に仕上げてきた。
まず感心したのが、最初の5日間が丸ごと「授業」の形をとったチュートリアルになっていること。ここでプレイヤーは、マナの集め方から、使い魔の召喚、魔方陣の設置、使い魔を使った戦闘に至るまで、魔法戦の基礎をみっちり教えてもらうことができる。実は筆者もちょっとRTS恐怖症の気があったのだが、丁寧なチュートリアルのおかげで、意外なほどすんなりゲームに馴染むことができた。5日目はこれまでの復習も兼ねた実戦なのだが、ここも苦戦することなくサクッと突破。なんだなんだ、簡単じゃないかRTS!
ゲームの流れとしては、まずフィールド上にあるクリスタルからマナを集め、これを使って使い魔を召喚し、敵を撃破すればマップクリア――といった感じ。逆に敵に攻め込まれ、自分の魔法陣が破壊されてしまうと敗北となる。
戦略マップ上で、資源集めやユニットの生産といった、いわゆる「内政」の要素までこなさなければならないあたりがRTSのややこしいところなのだが、ゲームに慣れるに従って、その「ややこしさ」がじわじわと「面白さ」に変わっていくのが面白い。海外の作品なんかで遊ぶと、そこまで辿り着く前に挫折してしまうことも多かったりするが、本作はちゃんと「面白さ」がわかるところまで、プレイヤーを引っ張り上げてくれる。難易度もSWEET、EASY、NORMALの3段階から選ぶことができ、どうしてもクリアできない人や、手っ取り早く物語を楽しみたい人へのフォローも万全だ。
もうひとつ感心したのが、登場するユニットの種類を思いっきり絞ったこと。本作には全部で4系統の魔法が登場するが(精霊魔法・錬金術・交霊術・黒魔術)、各系統とも、召喚できる使い魔はたったの4種類(こちらの記事を参照)。それも採集用ユニット、小型ユニット、中型ユニット、巨大ユニットといった具合にだいたいの役割が決まっていて、場面に応じてどのユニットを使えばいいかすぐに憶えることができる。しかもそれでいて、戦略面での奥深さはまったく損なわれていないから大したものだ。 |