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PS2版とPC版のストーリーには細かな変更点はあるものの、その根幹を成すものには変わりはない。だが、その細かな違いがPS2版とPC版の印象を大きく変えている点も否定できない事実として存在する。
PS2版に関して多くのファンが気になるのは、キャラクタのフルボイス化と、CEROのCレーティングにあわせた性的描写及び残虐シーンの変更点、の2つと思われる。
本作のキャラクタボイスは、士郎を演じる杉山紀彰、セイバー役の川澄綾子、凛役の植田佳奈、をはじめとする全キャラクタが既に放映を終了したアニメ版と同じキャストとなっている。アニメ版とゲーム版ではストーリーが異なるものの、既知のキャラクタを再び演じているだけあって、キャラクタの個性を掴みきった演技でストーリーを盛り上げている。
時に実直すぎるセイバー、そこかしこでツンデレな凛、「Heaven's Feel」で垣間見られる桜(CV:下屋則子)の「光」と「闇」、天真爛漫なイリヤ(CV:門脇舞以)など、声が追加されたことでPC版以上に人間味溢れる姿が堪能できる。特に、アーチャー(CV:諏訪部順一)とランサー(CV:神奈延年)というふたりのサーヴァントと、監督役の神父・言峰綺礼(CV:中田譲治)は、強烈な存在感と個性がボイスの追加によって更に際立ったといえる。
レーティングによるシーン変更は、15歳以上対象とするC区分で表現できる範囲内に収まるようになっている。PC版では、士郎がセイバーに魔力を供給する方法は性行為となっていたが、PS2版では士郎が体内に持つ魔術回路をセイバーに移植してセイバーに魔力を与える、とされた。そして、凛から士郎への魔力の分配も同様の魔術刻印の移植に置き換えられている。これらのシーン変更は、理屈としても適っており、ストーリー的にも自然な流れとなっている。また、士郎がセイバーに思いを告げる場面では純愛的な表現、弱った桜の体を維持させるシーンは桜が士郎の血を吸う、と改められている。
一方、戦闘シーンなどの暴力系の描写では、テキストによる修正等が行われているが、多くのプレイヤーはPS2版の表現でも充分に緊迫感や恐怖感を覚えることだろう。この変更も納得できる範囲といえる。
そして、最大の変更点は「Heaven's Feel」における桜の物語の扱い。PC版では桜が受けてきた辛い日々が克明に語られていくが、PS2版では「心が壊れるような日々を過ごしてきた」と触れられるのみで、具体的な事象に関しては明記されない。この部分は桜の物語の根幹を成すものであり、新規シナリオで差し替えると「Heaven's Feel」が物語として成立しなくなる。この内容をどうしても知りたい場合は、PC版で確認するしかない。
レーティングにあわせたシーン変更は、あくまで最低限、そしてストーリーとして納得できるものに抑えられている。ハードな描写も『Fate』の魅力であるが、一般向けの内容に改められたPS2版でも、その魅力が陰ることはない。
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PC版は、当時のPC作品としてはエフェクトなどの演出面にも力が入れられていた作品だが、PS2版では、より一層のパワーアップが図られた。セイバー対ギルガメッシュでの宝具激突時の威力を示す公園の全景、「Unlimited Blade Works」におけるアーチャーの弓射シーンをはじめ、戦闘シーンなどにも多くの新規イベントCGが追加され、またサーヴァント同士の剣や槍の軌道も鮮明かつ美しく描画されている。
全体として「見せる」「魅せる」CGが追加されたことにより、PC版の小説的な読み物としての雰囲気よりも映像的な作品となったので、PC版のユーザーでも音声追加による違和感を覚えることは少ないと思われる。
ちなみに、戦闘シーンは「Config」で「エフェクト瞬間表示」とすることで攻撃モーションや武器同士の激突場面などがスピーディに描画され、瞬間で決着がつくサーヴァント同士の戦いがより臨場感を持って堪能できる。
PS2版には、オープニングムービーが追加されている。このムービーは「Fate」「Unlimited Blade Works」「Heaven's Feel」ごとに用意され、それぞれ各ストーリーの見どころがアニメーションで再現されている。つまり、初回プレイ時にはネタバレとなる場面を見ることになるので、「あえてムービーを見ない」という選択も充分に検討するに値する。なおオープニングムービーはストーリーの半ば、及びメイン画面で一定時間が経過すると流れるようになっている。 |