1999年にPSで1作目が発売されて以来、シリーズを重ねてきたホラーアドベンチャー『サイレントヒル』。そのシリーズ最新作『SILENT HILL ORIGINS』をE3会場でプレイした。
本作『SILENT HILL ORIGINS』は、シリーズ1作目の昔が舞台。“あの事件”が起こる“きっかけ”となる出来事を描いた作品だ。
プラットフォームをPSPに移し、どのような作品になっているのか? 『サイレントヒル』シリーズは、『1』と『3』がセットで最高! と思っている編集部員が遊んでみた感想をどうぞ!
■ここはE3会場。周りには人がいっぱい。でも怖い!
今回、プレイしたのはあくまでも北米版の『SILENT HILL ORIGINS』。日本で発売されるものとは、細部が異なる可能性がある。最初に、そこをご了承いただきたい。
出展されていたロムでは、病院の中をプレイできた。女の子を追って、主人公(元軍人)が病院に入ったところからだ。触ってみて、最初に感じたのが「あ、初代『サイレントヒル』だ」。色使いやグラフィックのテイスト、キャラの動き方にイベント発生の瞬間まで、至る所が初代『サイレントヒル』の雰囲気を醸し出している。じゃあ、『2』や『3』とそんなに何が違うんだ! と言われてしまうかもしれないが、作品の持つ“空気”が、最も『1』に近いように感じた。これは正直、とてもうれしい。
では、肝心の“怖さ”は? ええ、怖いよ。汗がじっとりと出てくる、あのいやーな怖さを全身で感じたよ。暗くはないんだけど明るくもなく、周囲は静かなだけに自分の音だけは大きい、誰かいそうなんだけど誰もいない。そんな“夜の病院”という場所の空気が、確実に伝わってくる。ふと、PSPから顔をあげれば周りには陽気な取材陣がいっぱいいるのに、ゲームからはハッキリと、恐怖が伝わってくる。…オイラ、そんなに臆病だったっけ?
■顔を向ける・新聞から謎の断片・ライトON/OFF
システムの多くは継承されている様子
『サイレントヒル』をプレイしたことのあるユーザーなら知ってのとおり、本作には細かいシステムが多数、含まれている。たとえば、アイテムのある方向に顔を向けて教えてくれたり、ライトを点けると明かりでモンスターが反応したり、テーブルの上の新聞からストーリーの謎に関わる部分が断片的に読めたり、などなど。恐怖に怯えるプレイヤーにヒントを与え、そしてときには更なる恐怖をもたらす、シリーズ特有のシステム群だ。どうやら『SILENT HILL ORIGINS』には、これらの多くが継承されているようだ。とりあえず、プレイの中で「ラジオのノイズ・顔を向ける・新聞から謎の断片・ライトON/OFF・マップ・モンスターへのトドメ・武器の構え方」が確認できた。やっぱり、『サイレントヒル』にはこれらがなくちゃね。
■あああ! やっぱり行くんだ!“裏”の世界に!
初代『サイレントヒル』で、ユーザーに最も恐怖と驚愕を与えたのが“裏”の世界。それまでにいた病院や学校も、うす暗くて気持ちの良い場所ではないけれど、“裏”の世界に比べたらかわいいもの。ライト点けなくてもなんとかなるもん。
それなのに“裏”の世界ときたら。古くて汚いうえに、あたりはサビと血痕だらけ。猟奇的なニオイはがプンプン漂ってくる。おまけにモンスターが多いときたもんだ。こんなところに長くいたら、絶対におかしくなる。そんな“裏”の世界に、また行かなくてはならない。しかも何度も。いやだなぁ。
なお、“裏”の世界には特定の場所から往来することになるが、その瞬間の演出がすばらしい。病院で“裏”に初めて入る際、ちょっとしたイベントのようなことが起こるのだが、これが実にイイ。いや、決して見ていて気持ち良いものではく、むしろこれからのことを考えて陰鬱になるのだが、それでこそ、『サイレントヒル』でしょ。
また『SILENT HILL ORIGINS』では、特定のポイントであれば、プレイヤーが任意で“裏”と“表”を行き来できるようだ。行動範囲が広がったことで、謎解きの幅が一層、広がったと言えるだろう。
■身の毛がよだつ謎解きも健在! 考える楽しさも用意されている!
アクションアドベンチャーに不可欠な謎解き。もちろん、『サイレントヒル』においても、過去のシリーズ作品すべてに用意されてきた。単なる“おつかい”ではない、純粋な謎解きが本シリーズの魅力のひとつでもあった。その謎解きが『SILENT HILL ORIGINS』でも、味わえるようだ。しかも、ただの謎解きだけではない。嫌悪感を伴う、謎解きだ。
ここでは詳しい描写は避けるが、今回のプレイの中でも、あった。「え、こんなの持ちたくないよ」というアイテムを使った謎解きが(まぁ、そもそも、あんな町には入りたくないのだが)。ビビりながらプレイしているところに、思考力も要求される。そんな厳しさが、帰ってきたのだ。
■細かい部分にまで配慮された良質なホラー
以上、プレイの感想を述べてきた。他にも、些細な部分だが、「画面切り替え時にノイズが入る」「アイテム類の説明が読める」など、好印象を残した要素がいくつかある。しかし、こうした細部が全体の雰囲気作りには欠かせないもの。その配慮がなされていることが、本作が秀逸な世界観を生み、良質なゲームへと導いているのだろう。
PSPということで、モニターが小さい。その分、恐怖感は薄くなっているのではないか、と思っていた。しかし、そんなことはまったくない。本気で怖い。とは言え、感覚は個人差があるので中には本作では恐怖を感じないユーザーもいるだろう。でも、大抵の場合、怖いと思うはず。深夜、自宅への帰り道でプレイしていると、いつの間にか“裏”に入っちゃうかもよ? PSPなんだけど、ひとりじゃプレイする際には気をつけたほうが良いのでは?
