【週刊ジーパラが批評27】リアルマネートレードの何がイケナイの?

 
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【週刊ジーパラが批評27】リアルマネートレードの何がイケナイの?

2012.04.02
ジーパラ内ニュースインデックス

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 いやー、まさか世界が竜王様に支配されてしまうとは思いませんでした。ていうかカセットに息を吹きかけるのはダメだって任天堂さんも言ってたでしょ! ……とまぁ、今年のエイプリルフールはどのサイトもかなり大ネタを仕込んでいて、見て回るのに時間がかかりましたねって書いている時点でこの原稿をいつ書いているのかモロバレなわけですが、今週も週刊ジーパラが批評のお時間がやってまいりました。

 先週金曜日(2012年3月30日)に、グリーがRMT事業者に対して出品の停止と削除を書面にて要求したというニュースをお伝えしました。先々週のこのコラムでもちらっとお伝えしましたが、せっかくなのでこのRMT(リアル・マネー・トレード)に関して、もうちょっと詳しく説明しておこうかなと思います。

 RMTとはオンラインゲームなどのアイテムやゲーム内マネーを現実のお金で取引すること、というのはご存知の方も多いと思います。ではなぜこのRMTがイケナイコトなのでしょうか。実はRMTは法律で禁じられているというわけではありません。多くはゲーム運営会社が決めた規約で禁止行為とされているもので、これを破ると最悪、アカウントを停止され、二度とそのゲームで遊べなくなってしまいます。

 法律で禁止されていないことなのになんでそんなに厳しいのか。それは先々週も書いたとおり、RMTに付随する詐欺被害やアカウントハッキングの温床になっているからというのが最大のポイントです。「でもそれなら自己責任での取引ならいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、もしオンラインゲーム運営会社が自己責任に限りRMTを認めたとしたら、最終的に多くのオンラインゲームはゲームとして成り立たなくなります。

 特にMMORPGなどのオンラインゲームは多数の人がプレイするという前提で設計されており、アイテムやお金の流通などに関しても多すぎず、少なすぎず、というように調整されています。もしここでRMTを認めてしまえば、現実のお金を稼ぐためにゲーム内でお金を稼ぐ人が現れます。というか、現にそういう人がいます。

 「でもゲームのアイテムやお金を集めても、現実のお金ではそんなに儲からないでしょう?」と思った人も多いかもしれません。たしかに普通はあまり儲かりません。が、アイテムを大量に集めたり、ゲーム内マネーを天文学的数値まで集めることができたら、それぞれは二束三文でも、かなりの金額になりますよね?

 もちろん、そんな大量にレアアイテムやゲーム内マネーを集めるのは人間には難しいです。人間には。そこで登場するのがBOTプログラムです。BOTというのは一定の動作を繰り返すプログラムのことで、BOT自体は別に悪いものではありません。ニュースサイトを巡回してキーワードに合致するニュースを拾ってきたり、Twitterでランダムに組まれた発言を自動的にツイートするBOTなど、便利で楽しいものもあります(まぁ、相手がプログラムだけに、融通が利かなかったりすることが多いのが欠点ですが)。

 ただ、オンラインゲームのBOTは、オンラインゲーマーの“敵”とも言える存在です。24時間、延々と同じ作業を繰り返し、ひたすら経験値やゲーム内マネーを集めるために作成されたプログラムであることが多いからです。初期の弱いモンスターを倒して小額のゲーム内マネーを得るだけだとしても、24時間休みなく毎日毎日続けさせればかなりの金額を稼ぐことができます。ヒドイものになると、1台のPCでクライアントプログラムを多重起動して数体〜何十体というBOTを放つ場合もあります。

 オンラインゲームを起動してモンスターを倒そうとした際、狩場に何十体ものBOTがいたら、やる気を失ってしまいますよね。たとえ、そこでBOTに負けずに育成を行ったとしても、RMTでゲーム内マネーを買えるゲームであるならば、レアアイテムが欲しい人がRMTでゲーム内マネーを購入してゲーム内露店から強力なアイテムを買うということもありえるでしょう。そうなれば相場はどんどん上がり、あっという間にインフレが起きます。インフレが起こってしまえば、通常の狩りの稼ぎでは欲しいアイテムは到底買えず、「じゃあ私もRMTでゲーム内マネーを買うか」という悪循環が起こってしまうわけです。

 もちろん、RMTに関する詐欺やアカウントハッキングの被害は増加するでしょう。また、基本的に日本の円は価値が高く、数百円でも為替レートの関係上、海外の人にとっては十分な収入になることから、海外からのアクセスが増大します。当然、そういう人たちはゲームをゲームとは見なしませんから、バランスが崩れるとか、面白さが損なわれるということは一切関係なく、いかにゲーム内マネーを大量に得るかという一点でオンラインゲームをプレイし、そしてBOTを放ちます。こうした人々をゴールドファーマーと呼びます。実際、海外ではゴールドファーマーの“作業所”が乱立し、ゲーム内マネーを稼ぎまくっていました。現在は国内オンラインゲームにおいては海外からの接続を規制したり、BOTプログラムの遮断を行ったりと、ゴールドファーマーたちの“活躍”もだいぶ下火になってきましたが、依然として消滅には至っていないのが現状です。

 そんなに大変なら法律を作ればいいのにと思う人も多いと思います。ていうか、きっとオンラインゲーム運営会社の人もそう思っていると思います。が、ネットワーク関連の法整備はほとんど進んでいないのが現状です。違法なコンテンツ(映画やアニメ、音楽など)のダウンロードに罰則が設けられるようになったというニュースを見聞きした人も多いと思います。ようやくこの調子ではRMTに焦点が当たるのはいつのことか……。そもそも、あなたがオンラインゲームで手に入れたアイテムやゲーム内マネーは誰のものなのでしょうか。あなたのもの? でもオンラインゲームデータは運営会社のサーバーにありますよね? では運営会社のものでしょうか? でもそのデータを入手するために費やした時間や手間はあなたのものですよね? 実はこうしたオンラインゲームのアイテムやゲーム内マネーの知的財産権の帰属先は世界的にも論議されているところなのです(韓国ではゲーム内アイテムがユーザーの財産として認められる判例もありましたが、それも数少ない判決のひとつです)。

 日本で起こったオンラインゲーム関連の裁判は、主に業務妨害や不正アクセス禁止法違反として裁かれており、ゲーム内アイテムの知的財産権に至るまでの論議にはまだ及んでいません。今回のグリーのニュースにおいては主に業務妨害として、まずRMTで商売をしている人たちに「お願い」や「警告」という形で、けん制をした、といったところでしょうか。

 それで効果があるのか、と思われる方もいるかもしれませんが、これで言うことを聞かないならば業務妨害のセンで裁判を起こせるわけですし、そうなったらRMT業者的には勝てる要素はないでしょう。おおっぴらにRMTで稼いでいる人たちがいなくなれば(水面下の取引は別にしても)、ライトなユーザーがRMTそのものを目にすることが減少し、RMTに絡む詐欺やアカウントハックの被害に遭うことは避けられます。もちろん、規模を縮小してこっそりとRMT活動を続ける人もいるかもしれませんが、小規模になれば、ゲーム内のログをたどってそのアカウントをBAN(アカウント永久停止)していけば潰すことができます。

 ……とまぁ、簡単に書くと以上のようなコトになるわけですが、RMTの線引き(たとえば、友人にジュースを奢る代わりにゲーム内でちょっとだけ便利な回復アイテム数個だけをもらう、などはRMTに当たるのでしょうか?)も難しいこともあり、RMTに絡む問題は非常に難しく、結論の出ない問答で終わることが多くなっています。

 オンラインゲーム運営会社の提供するガチャや、いわゆる課金アイテムの販売による、通称“公式RMT”でゲーム内マネーを得るプレイヤーもいないわけではないので、それがRMTとどう違うのか、と憤慨する方もいるとは思うのですが、少なくとも運営会社が提供するものはゲームを楽しめるバランスまでは破壊しないように調整されています。また、当然、詐欺やアカウントハックもありませんよね。こういった点が外部のRMT業者との最大にして決定的な違いです。

 グリーに関しては、これまでオンラインゲームをプレイしたことのない層のユーザーが多いことや、プラットフォームがPCではなくフィーチャーフォンやスマートフォンであることもあり、従来のオンラインゲームのRMTとは感覚が異なるため、RMTに付随する様々な事件の被害が増加する前に手を打ちたかったというのもあると思われます(それでもユーザーの中には「遅すぎる」と思われる人もいるかもしれません)。

 今後、オンライン対応のゲームが増加するごとに、こういったRMTの話題は再燃する可能性もあります。個人的には世界基準でのルール作りが行われない限り、この議論はどこまでも続いていくと思うのですが……そろそろアニメなどでよくある地球連邦政府ができたりしませんかねぇ。“せかいのはんぶん”の統治を誰にも委ねず、竜王様が平和的な政治を行ってくださればいいのですが(笑)。

 なんだか最後の最後でまじめなコラムが台無しになった気がしないでもないですが、ムズカしいことを考えずにゲームを楽しく遊びたいものですね。そんなわけで、ジーパラドットコムでは楽しいニュースやコラムをお届けし続けます。以下のサービスなどでも各種ニュースを発信していますので、サイトを閲覧する以外にも活用してみてください。また、当サイトはスマホにも対応していますので、外出の際はスマホでもアクセスしてみてくださいね。

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